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【2025年版】ベトナムのAI産業最前線:急成長するスタートアップと日本企業に広がる新たなチャンス

ベトナムは“AI大国”への道を本格的に歩み始めています。

はじめになぜ今、ベトナムのAIが注目されているのか、製造業やITアウトソーシングの拠点として知られるベトナムが、近年急速に「AI開発・実装の新興ハブ」として存在感を高めています。

人材・コスト・政策の三拍子がそろい、政府主導でAI国家戦略が進行。
特に「2030年にASEANのAI拠点になる」という国家目標を掲げ、国内外の資本・企業・研究機関が次々と集まり始めています。

ベトナム進出を検討する日本企業にとっても、
AIを起点にした現地連携・新規事業開発の機会が拡大しています。
製造・教育・行政・医療などあらゆる分野でAI導入が進み、政府の明確な支援策と若い技術人材を背景に、アジアでも屈指の成長を見せています。
本記事では、ベトナムAIを取り巻く環境、主要企業、スタートアップの動向、そして日本企業にとっての新たなチャンスをまとめます。


1. 国家戦略としてのAI:2030年にASEANの中心を目指す

ベトナム政府は2021年に「AI国家戦略2030」を策定し、次のような明確な目標を掲げています。

  • 東南アジアのAI研究・応用分野でトップ4入り
  • 世界トップ50のAI国入りを目指す
  • 国際的に通用するAIブランド企業を10社以上育成
  • 国家レベルのAI研究センターを3拠点設置

この方針のもと、政府は教育・医療・交通・行政分野でAIの社会実装を推進。スマートシティ構想や公共データのオープン化も進み、AIを国家発展の柱に据えています。


2. 急成長するAIスタートアップ・エコシステム

2-1. スタートアップ数と資金調達の急拡大

2024年時点で、ベトナム国内のAI・機械学習関連スタートアップはおよそ700社超
3年間で約4倍に増加し、投資額も前年比で約8倍に急伸しました。
政府の支援政策や海外VCの参入により、エコシステムが整いつつあります。

2-2. 特徴:現場課題に強い“実装型AI”

ベトナムのAI企業は「研究」よりも「実装」を重視。
製造・物流・金融・教育など、現場で即成果を出す実用的なAIを得意としています。
若く柔軟なエンジニア層と低コスト開発が、スピーディーなPoC展開を支えています。


3. 代表的AI企業と注目プロジェクト

■ FPT Corporation(FPTソフトウェア)

ベトナム最大手のIT企業。2024年、NVIDIAと連携した約2億ドル規模のAIファクトリー構想を発表し、生成AIやAIデータセンター分野で注目を集めています。
銀行・製造・物流向けのAI導入実績も豊富で、日系企業との共同開発も多数。

■ VinAI Research(Vingroup)

自動車メーカーVinFastを支えるAI研究機関。
顔認識・ドライバー監視・飲酒検知などのAIシステムを開発し、顔認識精度では世界トップクラス
国際展示会CESなどにも出展し、「Made in Vietnam」のテクノロジーとして注目を集めています。

■ VNG Corporation(Zalo運営)

国内メッセンジャー「Zalo」を運営する大手IT企業。
AIチャットボットやレコメンドエンジンを導入し、7,000万人以上のユーザーを持つB2C向けAIプラットフォームを構築。
日系アプリ企業との提携余地も大きい分野です。

■ Cinnamon AI(シナモンAI)

日本発・ベトナム開発のAIスタートアップ。
Intelligent Document Processing(IDP)に強みを持ち、日本の大手銀行・保険業界にAI文書処理システムを導入
「日本品質 × ベトナムスピード」を体現する成功事例です。

■ その他注目スタートアップ

  • VinBrain:医療画像診断AI、X線・CTの読影支援
  • ELSA Speak:音声AIによる発音矯正英語アプリ
  • Trusting Social:フィンテックAIによる信用スコアリング
  • Prep.vn:教育分野でのAI試験対策・スピーキング評価

4. 日本との比較と日越連携のチャンス

4-1. 日本:研究力は高いが商用化スピードに課題

日本はAI基礎研究の水準は高い一方、スタートアップ数や実装スピードではまだ課題があります。
PoC(実証実験)段階で止まり、事業化まで至らないケースが多いのが現状です。

4-2. ベトナム:実装スピードと柔軟性が武器

ベトナムは現場課題をすばやくAIで解決する実装力と、低コストな開発体制が強み。
研究よりも「短期間での社会実装」を重視するスタイルが特徴です。

4-3. 協業モデルの可能性

モデル内容メリット
R&D分業型日本が設計・品質管理、ベトナムがAI開発・運用スピードとコスト効率
共同PoC型日本市場で検証、ASEAN市場で展開実証から商用化までの流れが早い
人材交流型大学・企業間でAI人材を育成・派遣両国のスキル底上げ

5. まとめ:ベトナムAI市場は“次の進出フロンティア”

政府戦略、外資連携、スタートアップの勢い――
すべてが揃ったベトナムのAI市場は、今まさに成長局面にあります。
現地企業との連携やAIを軸にした新規事業開発は、今後5年で大きな成果をもたらす可能性があります。

「AI × ベトナム」は、次のビジネス進出キーワードです。

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