ベトナムは東南アジア有数のビール消費国であり、その消費量は年々増加しています。2022年のビール消費量は約528万リットルで、世界第7位となっています。
ベトナム人がビールを好む理由は、文化的背景、気候、食文化、そして経済的な要因が絡み合っています。それらについて解説する前に世界のビール消費国ランキングをご紹介します。
世界主要国のビール消費量ランキング(2022年)
- 中国:4,203.5万キロリットル(前年比1.0%増)
- アメリカ:2,037.8万キロリットル(前年比4.2%減)
- ブラジル:1,493.2万キロリットル(前年比3.6%増)
- メキシコ:999.0万キロリットル(前年比14.5%増)
- ロシア:849.7万キロリットル(前年比4.9%減)
- ドイツ:796.0万キロリットル(前年比3.2%増)
- ベトナム:528.0万キロリットル(前年比27.0%増)
- イギリス:470.0万キロリットル(前年比0.4%減)
- スペイン:470.0万キロリットル(前年比7.5%増)
- 日本:429.4万キロリットル(前年比2.5%増)
※参照「キリンホールディングス 2022年 世界主要国のビール消費量」
ビールを好む理由は?
ベトナム人がビールを好む理由は、文化的背景、気候、食文化、そして経済的な要因が絡み合っていると考えられます。ではその要因とは?具体的に考えていきたいと思います。
社交文化としてのビール
ビールはベトナムの社交生活において重要な役割を果たしています。仕事終わりや特別なイベントの場で、友人や同僚と一緒に飲むことが一般的です。「Nhậu(ニャウ)」と呼ばれる飲み会文化が根付いており、ビールはその中心にあります。
手頃な価格と手に入りやすさ
ベトナムではビールの価格が非常に手頃で、庶民的な飲み物として親しまれています。また、路上の小さな屋台から高級レストランまで、ほぼどこでもビールを楽しむことができます。この経済的なアクセスのしやすさが消費量を押し上げています。
ビールと食文化の相性
ベトナム料理には多様な風味と食材があり、これらとビールは非常によく合います。辛い料理や揚げ物、グリル料理とビールを合わせることで、より味わい深い食事体験を楽しめます。例えば、揚げ春巻き(Nem rán)や焼き肉(Thịt nướng)は、冷たいビールと一緒に楽しまれることが多いです。
多様な選択肢と地元ブランドの人気
ベトナムには地元ブランドのビールが豊富にあります。「サイゴンビール(Bia Saigon)」や「ハノイビール(Bia Hà Nội)」など、地元産のビールが親しまれており、それぞれのブランドには地域性が反映されています。また、最近ではクラフトビールの人気も高まり、さらに選択肢が広がっています。
気候的要因
ベトナムは熱帯モンスーン気候で、年間を通じて高温多湿です。このような環境では冷たい飲み物が好まれます。ビールは暑さを和らげ、リフレッシュする飲み物として理想的であり、特に冷えたビール(ベトナム語で「Bia lạnh」)が人気です。
人気ビール銘柄とその特徴
サイゴンビール (Bia Saigon)
サベコ醸造所が生産するこのビールは、ベトナム中部や南部で高い人気を誇ります。高品質な原材料を使用し、厳密な生産管理により、クールで飲みやすい味わいが特徴です。
ハノイビール (Bia Hà Nội)
ハノイビール・アルコール・飲料グループが製造するこのビールは、麦芽とホップの風味がバランスよく調和した、すっきりとした軽い味わいが魅力です。
タイガービール (Bia Tiger)
シンガポール発祥のこのビールは、ベトナム全土で広く愛されています。鮮やかな黄色と新鮮な香り、マイルドな苦味が特徴で、多くのバーやレストランで提供されています。
ハイネケンビール (Bia Heiniken)
オランダのハイネケン社が製造するこのビールは、ベトナムでも高級ビールとして知られ、家族や同僚への贈り物としても人気があります。鮮やかな黄色と軽快な味わいが特徴です。
333 (Bia 333)
サイゴンビール社が製造するこのビールは、マイルドな苦味とホップの香りが特徴で、ベトナムで最も歴史のあるビールブランドの一つです。
ベトナムで人気のクラフトビール醸造所とその特徴
ベトナムでは近年、クラフトビールの人気が急速に高まっています。特にホーチミン市やハノイなどの大都市を中心に、多様なスタイルや独自のフレーバーを持つクラフトビールが登場し、地元のビール愛好家や観光客の間で注目を集めています。
サイゴン・ビア・クラフト(Saigon Beer Craft)
ホーチミン市を拠点とする醸造所で、IPAやスタウトなど多様なスタイルのビールを提供しています。地元の食材を活用した独自のフレーバーが特徴です。
ハノイ・ビア・カンパニー(Hanoi Beer Company)
ハノイに位置し、伝統的なベトナムの食材を取り入れたクラフトビールを製造しています。特に、ライムやレモングラスを使用した爽やかなビールが人気です。
プルマン・ビア・ハウス(Pullman Beer House)
ダナンにある醸造所で、地元のフルーツやスパイスを使ったユニークなビールを提供しています。観光客にも好評で、ビールとともに地元料理も楽しめるのが魅力です。
ビール以外のアルコール飲料は?
ベトナムではビールが最も消費されるアルコール飲料ですが、ビールに次いで人気のあるアルコール飲料として以下のものが挙げられます。
蒸留酒(焼酎・ウォッカ)
ベトナムでは、米を原料とした蒸留酒が広く親しまれています。特に「ネップモイ(Nếp Mới)」や「ルアモイ(Lúa Mới)」といった銘柄が有名で、これらは伝統的な製法で作られた米焼酎です。また、ウォッカも一般的で、「ウォッカ・ハノイ(Vodka Hà Nội)」などのブランドが市場に出回っています。
ワイン
フランス統治時代の影響もあり、ベトナムではワインの生産と消費が行われています。特に中部高原のダラット地方で生産される「ダラットワイン」は、赤・白・ロゼなど多様な種類があり、国内外で人気を博しています。
リキュール
ベトナム特産の果物やハーブを使用したリキュールも親しまれています。例えば、コーヒー豆を使った「カフェコ」や、梅を使った「うめ一」などがあり、これらは甘みが強く、飲みやすいことから若者や女性にも人気があります。
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